まったく新しい「しつけ」のすすめ
人間に関わりの深い動物と言えば最初に思いつくのが「犬」。
最近では「コンパニオンアニマル」と呼ばれ、多くの人が家族の一員として犬と暮らしています。
犬と暮らし始めたとき、誰もが犬との楽しい生活を思い描いています。
しかし、実際には吠える、咬む、お散歩の引っ張り、いたずらをするといった困ったことも起こります。
困ったことが起こるときちんと「しつけ」をなければならないと考えるのではないでしょうか?
犬にはしつけをしていい子にしないといけないという考えが一般的です。
これからご提案するのは、従来の犬のしつけやトレーニングと違うまったく新しい犬との関わり方です。
「いい子」にするのはなく、「ごきげんな子」にするために犬の習性や言葉をしっかり知ることを行います。
人間でも共に暮らしていくためには、まず相手のことよく理解し、尊重することが大切です。相手がごきげんであれば、自分もごきげんになれます。
犬にも全く同じことが当てはまります。
犬がごきげんであることが私たちの犬との楽しい暮らしにもつながります。
幸せや楽しい暮らしは共に暮らす者が共にごきげんであることが重要です。
では、犬がごきげんになるためにはどうすればいいのでしょうか?
連載第1回目は今までほとんどフォーカスされなかった、とっても大事な犬のことを取り上げたいと思います。
とっても大事な犬のこと
人間と暮らすってとっても大変
実は犬の生活は不便なことだらけです。
食事、排せつ、外出も自分の意思ではできません。
好きな時間にご飯を食べられない、好きなものを食べられない、好きな時に出歩けないというのは自分に置き換えて考えてみるととてもストレスがかかります。
また排泄する場所も決められていたり、外に排泄に行くにもドアを開けてもらったりと生活のほとんどのことに制限がついて回ります。
これらだけでもストレスが溜まるのに、犬は人間よりも非常に優れた耳と鼻を持っています。
テレビの音、車の音、犬にとっては何か分からない大音量の音があちこちから聞こえてきます。
大きな音ももちろんですが、正体の分からない音が周囲からいつも聞こえるというのはとてもストレスが溜まりますね。
聴覚的なストレスが常にあると言った状態です。
また嗅覚的にも非常にストレスがあります。
人間社会は自然にはない化学的なにおいにあふれています。
洗剤の香り、芳香剤の香り、化粧品の香りなどなど、人間にはいい香りでも犬には強烈な臭いであるのです。
少し挙げてみても、人間との暮らしは犬にとってはストレスの多いものだと分かります。
ストレスのかかる生活ではごきげんになれません。
ストレスを少なくすることがとても重要だと言えます。
次回からは、犬のストレスになる原因を詳しく見ていきたいと思います。